2021-03-01から1ヶ月間の記事一覧
03「ざしきぼっこ」 200mm(箪笥) 1993 お座敷の襖はいつもぴったりと閉められていて、子供は入ってはいけないと言われていた。襖をすこし開けてお座敷を覗くと、がらんとして薄暗く、奥の床の間の隅にある達磨大師の置物が、こちらをぎょろりとにらむ。お…
03「ねこねこ楊」 1993 170mm 野口雨情の童謡から。 *ねこねこ楊 ねこじやねこじやの ねこねこ楊やなぎ 砂利が流れる 小砂利が流る 川の川下 かぞへてみたりや 砂の数ほど 小砂利が流る ねこじやねこじやの ねこねこ楊 ここのこの川 小砂利が流る
02「花摘み」 1993 170mm はなつます わらしごよ なのらさね (良い写りの写真が無くて…)
手製本の人形作品集、第二集。 01「手毬」 170㎜ 1993 わらべ唄には、昔から伝わった生きる知恵が詰まっていることを、「遠野のわらべ唄」(伊丹政太郎著)におしえられた。子供の成長にあわせて唄があり、遊びながら育ってゆく。
一九九三年二月六日七日に山形にでかけた。ぼくは浜松の生まれで、深く積もった雪を見たことがなかった。雪女、淡雪童女、冬幻童子を作る前に一度、深い雪を見ておきたかった。 六日は旧歴正月十五日。雪女が、雪の子供たちを遊ばせにあらわれるという。 訪…
19 「雪女」 410㎜ 1993 雪女は雪女郎ともよばれる。年季が明けてふるさとに帰ってきた女郎が、親から、「身内に女郎などいない」といわれ家に入れてもらえず、行倒れて死んだ、その霊だといわれている。 (雪女は、淡雪童女と冬幻童子を、遊ばせているので…
17 「淡雪童女あわゆきどうじょ」 250㎜ 199318 「冬幻童子とうげんどうじ」 270㎜ 1993 幼児の戒名には、あわれをさそうものがあります。「淡雪童女」は、生まれてすぐに死んだ子の、「冬幻童子」は、飢饉で死んだ子の戒名です。 (もっと写りの良い写真が…
16「寺童じどう」 270㎜ 1993 昔、快庵かいあんという禅僧があった。 奥羽修行遍歴の途中、夕刻、一軒の農家に宿りを願った。しかし、農家の人々は僧の姿を見て酷ひどく怯おびえ、家の主は天秤棒で僧に殴り掛ろうとした。快庵が理由わけを尋ねると、家の主は…
15 「猟人りょうじん」 270㎜ 1993 熊狩りは、昔は槍一本で立ち向かったという。数人で一組になり熊を追い立てるが、槍で突くのは一人だけだ。熊の月の輪のところを突くのである。他を突いてはいけない。毛皮の価値が下がるからだ。喉を突いても熊は大きく、…
14「うさぎ おでかけ」(18cm 1993) にんじんバッグもって、おでかけ。
13「八百比丘尼はっぴゃくびくに」(21cm 1992) 頭手足は石塑粘土、アクリル絵の具、胴は縫いぐるみ。 村の将棋仲間が縁先で将棋をしていると、見知らぬ老人がやって来た。老人も将棋がたいそう好きらしく、熱心にのぞき込んでいた。それ以来、老人は毎日来…
12「河童」(20cm 1992) 頭手足は石塑粘土、アクリル絵の具、胴は縫いぐるみ。着物は古い木綿。 九州に残っている話しです。 左甚五郎ひだりじんごろうが、一晩でお社を建てなければならないことになりました。甚五郎は日本一の大工で、木彫りの名人です。…
11「ざしきわらし」(20cm 1992) 人形は、頭手足は石塑粘土、アクリル絵の具、胴は縫いぐるみ。箪笥は桧、把手は鉄。そのほか古い縮緬など。 僕が六つか七つの頃、いとこの女の子が死にまして、真夜中に両親に連れられてお通夜に行きました。女の子は当時幼…
10「アペフチ」(17cm 1992) 「……火の神は赤い小袖を着、赤い鉢巻きをし、金の杖を持つ老婆の神で、一般にアベフッチ*(火のお婆さん)と呼ばれているのは、祖母の懐のように温かく人間を愛しみ育てるからである。……人間は何か願い事があると、先ず何より先…
09「アイヌの子」(17cm 1992) アイヌに『チャク・ピーヤク』という、小鳥の歌があります。輪になって、手を広げ、チャク・ピーヤクと歌いながら舞うのです。参考『日本の民族音楽・日本のハーモニー』(キングレコード) 衣裳は、古代布で仕立てた着物に、…
08「赤い桜ンぼ」(16cm 1992) 赤い桜ンぼ 赤い 赤い 桜ンぼよ どこで生れたの 一軒家の お背戸で 生れたの ほんとうは 桜ンぼよ どこで生れたの ほんとうに 一軒家の お背戸で 生れたの 野口雨情『青い眼の人形』より -----------------------------------…
06、07「すずめのお宿」(15cm 1992) “……戸を叩くと「爺か、爺か」といいました。「爺じゃ、爺じゃ」「爺なら早う入れ。」爺が入って行くと、大事にしてご馳走をして招(よ)ばれました。”(関敬吾編 日本の昔話 岩波文庫)より
05「すずめのおちょん」(20cm 1992) “舌きり雀はどっちへ行ったおちょん雀はどっちへ行ったやれかわいや やれかわいやな”(関敬吾編 日本の昔話 岩波文庫)より
04「迷い家(まよいが)の椀」(22cm 1992) 六三 小国の三浦某というは村一の金持なり。今より二三代前の主人、まだ家は貧しくして、妻は少しく魯鈍なりき。この妻ある日門の前を流るる小さき川に沿いて蕗を採りに入りしに、よき物少なければ次第に谷奥深く…