「ふみよむ子」~人形集第四集~11
「ふみよむ子」105㎜ 1996 (桂、胡粉彩色)
大昔に失われた、古代アレクサンドリア図書館のことを思うと、いささかめまいがする。そこには、大昔の人々のこころや歴史が書かれていたはずだ。本には、放っておけば失われてしまうかもしれない、人の考えやこころが刻まれている。すこしずつでも、よい本を読みつづけたいと思う。しかし、本ばかりよんで、かえって道を見失ってしまうこともある。そんなときは、最高の智恵は人に親切にすることと、謙虚であることだ、というユダヤ人のことばをおもいだせばよい。
(1996年から2000年ごろまで、木彫胡粉彩色による御所人形風の作品を制作していた。文章は、手製本の作品集に掲載した、その当時のまま。)